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賃貸退去時の原状回復費用の減価償却について

賃貸物件の退去時のハウスクリーニング費用や原状回復費用が、借りていた住人(以下、賃借人)に請求されたり、敷金から相殺されてしまったりといったトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。
国土交通省のガイドラインでは、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義して、原状回復費用は賃借人が負担するとしています。

このページでは、国土交通省住宅局が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」や、裁判所の判例などから、賃貸退去時の原状回復費用の減価償却について説明します。

賃貸退去時の原状回復費用の減価償却とは?

一般的な建物賃貸借契約書には、「賃借人は契約終了時には本物件を原状に復して明け渡さなければならない」との定めがあります。
これは賃貸退去時には賃借人の負担で原状回復を行うという契約なのですが、ここでいう原状回復とは、借りていた物件を契約締結時とまったく同じ状態に戻すことではありません。

住宅の価値は、居住の有無にかかわらず、時間の経過によって減少していきます。
そのため、賃借人の故意又は過失によって建物を損耗して賃借人が修繕費を負担しなければならない場合でも、時間の経過によって発生する経年劣化・通常損耗は必ず前提になっており、経年変化・通常損耗の分は、既に賃借人は賃料として支払ってきているので、退去時に賃借人が負担しなくてはならない費用にはならないと考えられます。
なぜなら、通常に使用しても汚れたり損耗することは貸す前からわかっていたことであり、通常損耗の回復費用などは毎月支払われる賃料に含ませて請求するのが普通であり、経年変化・通常損耗の分が賃貸借契約期間中と明け渡し時とで二重に評価されることになれば、賃貸人と賃借人の費用負担の配分について合理性を欠くことになります。
また、実質的にも、借主が経過年数1年で毀損させた場合と経過年数10年で毀損させた場合を比較すると、後者の場合は前者の場合よりも大きな経年変化・通常損耗があるはずであり、この場合に修繕費の負担が同じであるというのでは賃借人相互の公平をも欠くことになります。
そこで、借主の負担については、建物や設備等の経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させることとするのが適当であると考えられています。

裁判所の判例では、「建物の価値は、そもそも時間の経過により減少するものであり、賃借人が契約により定められた使用方法に従い、かつ、社会通念上通常の使用方法により使用していればそうなったであろう状態であれば、使用開始当時の状態よりも悪くなっていたとしてもそのまま賃貸人に返還すれば良い」との判断を示してきました。
国土交通省のガイドラインでも、借主が借りた当時の状態に戻すものではないということを明確にし、借主の負担について、建物・設備等の経過年数を考慮することとし、同じ損耗等であっても、経過年数に応じて負担を軽減する考え方を採用しています。



経過年数による減価割合について

経過年数による減価割合については、「法人税法」及び「法人税法施行令」における減価償却資産の考え方を採用するとともに、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」における経過年数による減価割合を参考にして、償却年数経過後の残存価値が1円となるような直線(または曲線)を描いて経過年数により借主の負担を決定します。
よって、年数が経つほど借主の負担割合は減少することになります。
ただし、経過年数を超えた設備等を含む賃借物件であっても、借主は善良な管理者として注意を払って使用する義務を負っていることは言うまでもなく、そのため、経過年数を超えた設備等であっても、修繕等の工事に伴う負担が必要となることがあり得ることを借主は留意する必要があります。
具体的には、経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があり、このような場合に借主が故意・過失により設備等を破損し、使用不能としてしまった場合には、賃貸住宅の設備等として本来機能していた状態まで戻すための費用(工事費・人件費など)を負担する必要があります。



経過年数による減価償却 区分一覧表 - 賃貸退去時の原状回復について


入居時の状態による減価割合について

経過年数の考え方を導入した場合、新築物件の賃貸借契約ではない場合には、実務上の問題が生じる場合があります。
それは、設備等によって補修・交換の実施時期はまちまちであり、それらの履歴を貸主や管理業者等が完全に把握していない場合や、入居時に経過年数を示されても借主としては確認できないことです。
そこで、国土交通省のガイドラインでは、経過年数のグラフを入居年数で代替する方式を採用し、入居時点の設備等の状況に合わせて経過年数のグラフを下方にシフトさせて使用しています。
入居時点の状態でグラフの出発点をどこにするかは、契約当事者が確認のうえ、予め協議して決定する必要があります。
ただし、借主は賃貸物を善良な管理者として注意を払って使用する義務を負っていることは言うまでもなく、経過年数を超えた設備等であっても、修繕等の工事に伴う負担が必要となることがあり得ることは前述のとおりとなります。




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